こんにちは! いっちー☆ほしです。
今回は、NECホームエレクトロニクスより販売された、PCエンジンの後継機『PC-FX』を紹介します。
正直、PC-FXの魅力は? 何が有名なの? 友達で買っている人はいたかな? など色々と思う所はあると思いますが、個人的にお気に入りのハードなので記事にしたという感じです。
それでは、お暇な時にでも読んでみてくださいね♪
■『PC-FX』ってなに?
PC-FXは、1994年12月23日に発売されました。商品名は「PC」=「PC-9800(PC-98)シリーズ」、「F」=「Future(未来)」、「X」=「未知数」から。PCエンジン後継機計画発表の際のコードネームも「FX」だったようです。PCエンジンの後継機種として開発された第五世代ハードであると同時に「32ビットCD-ROMゲームマシン」なんですよ。32ビットマシンであるだけなら、プレイステーション・セガサターンとなんら変わりはないですよね。
ならPC-FXの特徴は?
「フルアニメーション・ゲームマシン」という売り文句がありました。
PC-FXは秒間30コマの映像を高画質で、かつほとんどアクセスなしで表示できる特異な機能を持ってる機種だったんです。また、その拡張性は、パソコンとの接続が意識されたマシンで本体は縦置きが標準の設計でした。当時は「白い巨塔」とも呼ばれていたりしたようです。そして、PC-FXはその年の通産省グッドデザイン賞を受賞していたりします。当初は、なんとなく凄い印象がありました。
●余談ですが、
PC-FXは、本当は12月9日に発売だったんです。なぜ延期になったのか?というと。
1994年11月30日発売の『PC Engine FAN』の広告で、本体添付の印刷物に記載ミスが見付かったという理由で発売日を12月23日に延期したという理由が濃厚みたいです。
■ここでPC-FXのサイズやスペック紹介です。
●本体外観/コントローラーの説明です。
・本体サイズは幅132mm・奥行き267mm・高さ244mm
※当時のデスクトップパソコンレベル
今では珍しいスタイルでもないのですが、縦置き型を初めて採用して、CD-ROMドライブは縦置きした本体の上部に設置されています。
・本体正面は電源ボタンとパッド用端子とインジケーター。
・正面の拡張スロットはバックアップメモリパック専用スロット。
・本体背面にはAV出力端子と電源コードと拡張スロット。
・背面の上部に蓋で覆われる形で搭載された拡張スロット
※これは周辺機器を接続する汎用スロットです。
・本体底面に拡張スロットは処理能力を向上するメモリ用
※底面のスロット用の機器は発売されておらず、ほぼ存在意義のない状態。
今後も永遠に利用されることはないですね。
・PC-FX用のパッドは、6ボタンやモード切替スイッチなどを搭載
※PCエンジンDUO-RXにも採用されたアーケードパッド6とほぼ同型デザイン。
コストダウンのためとも言われていたりします。
ちなみに、PC-FXで発売されたソフトの都合上、この6ボタン仕様が活かされることはなかったんです。唯一6ボタンをフルに使用したソフトは『デア・ラングリッサーFX』のみで、隠しコマンドで6ボタンをフルに使用するだけ…。パッド以外のコントローラーとして『PC-FX マウス』というマウスも存在してますが、いっちー☆ほしは現物を見たことがありません…。
●本体性能
CPU V810 21.475MHz
GPU HuC62
メインRAM 2MB
VRAM 1.25MB
画素数 320×240ドット
最大表示色数 1677万色
スプライト 最大128個
CPUは、バーチャルボーイにも採用されたNEC製32ビットRISCプロセッサ「V810」を採用しております。GPUは前世代のPCエンジンに続いてハドソンのHuC62シリーズを採用し、それを2機搭載してますが、苦し紛れでの2機搭載とも言われてます。大雑把に言うと「バーチャルボーイのCPU+PCエンジンのGPU×2」は凄いのか? という具合の、よく分からない設計になりました。サウンド性能はPCエンジンと同様の波形メモリ音源6音にAD-PCM音源2音とチープな感じです。PCエンジンから性能が余り向上していないですね…。他ハードと比べるとサウンド性能は大きく引き離されているきがします。
このように軒並み性能がイマイチ?なPC-FXですが、このハードの目玉は動画専用バスにより、動画をリアルタイムに操作してシームレスに切り替えられる動画再生機能のみ…。しかし、解像度が高くない事やハード設計自体が尖っていて開発難易度が高かったことも原因で、使いこなせたソフトは少なかったと思います。当時はソフト媒体がCD-ROMなので容量に限りがあり、パソコンのように3倍速と比較して倍速では読み込み時間が遅くて、動画を盛り込むと動作がもっさりとします。その為、主軸を動画に傾倒すると容量不足と読み込み地獄に陥る事もあったりしたようです。
ちなみに、ゲーム以外では音楽CD・CD-G・PhotoCDといったCDの再生も可能でしたが、こちらも発売時期の頃には特に魅力のある機能でもなかったですね。
■ソフト展開
PCエンジン後期のソフト展開の流れがそのまま引き継がれていて、最初から美少女ゲームの割合が多いのが特徴でした。PC用18禁エロゲーやギャルゲーの移植に力が入れられていて、高い移植度と実用性を発揮しました。声優ブームの影響もあって「アニメフリークFX」という声優のディスクマガジンも販売してましたね。
アニメ路線で動画前提というユーザー層が圧倒的に限られていて、更に動画以外のメリットがなく、動画を利用しないなら無理してPC-FX向けの開発をするより、PC向けに作った方が売れるという流れになってました。一応、PC-FXのキラーソフトとしては、PCエンジンでの開発から移行した天外魔境Ⅲの発売が予告されていたんですが発売中止になりました…。
ただ、アンジェリークシリーズとの縁は深い印象。アンジェリークがスーパーファミコンから移植されると、それ以降「アンジェリークの新作はまずPC-FX版で先行発売」という決まりが確約されてました。実際にこの確約は『アンジェリーク 天空の鎮魂歌』の発売まで続き、PC-FXの終了まで続いていきました。
最終的な発売ソフト総数は62本、同世代で同じ不振機種であった3DO(全215タイトル)と比べても圧倒的に少ない数ですね。
■PC-FXのパソコン用拡張ボードもあるんですよ
・PC-FXGA
※PC-FXボードとはまた異なるPC-FX互換のパソコン用拡張ボードです。標準価格は46,000円(税別)。
PC-FXで単に遊べるだけではなく、PC-FXのセーブデータをパソコン上で管理もできます。
更に別売のスターターキットでユーザー側で自作プログラムが可能。
FXGAはPC-FXやPC-FXボードにはない3DCG表示用チップが搭載。
この3D機能は自作プログラムで利用することができます。
もう少しなんとかしてほしかったのは、PC-FX本体と同様に画像出力はAV出力なんです。通常のパソコンディスプレイに表示できなないんですよ…。パソコン近くにTVを持ってくるか、AV出力機能を持つディスプレイを用意しないといけなかったんです。
また、同梱されていた肝心のゲーム開発環境「GMAKER」(今は別売)の内容の難しさに音を上げてしまい、結局ゲームは一本も作らず終了…。ただの市販FXソフト専用マシンと化してしまいました。
因みに、PC-98用とDOS/V用の2バーションが存在し、後者は生産数の少なさから今ではプレミア品となってますね。
・PC-FXボード
※PC-98 CanBe専用拡張ボード。これを使うとPC-98 CanBeでPC-FXのソフトを遊べます。
良くも悪くもPC-98 CanBeでPC-FXを遊べるという以外に特筆する点がないんですよね。
PC-FXGAと比較すると認知度や人気が低い印象です。
■PC-FXがハード市場から消えてしまった理由
開発にはPCエンジンと同様にハドソンが深く関与していて、ハドソンが開発したHuC62シリーズを本体に採用しています。しかし、PCエンジンの時代とは異なってソフト展開でハドソンが強力なサポートをすることは出来なかったようです。その結果、独特なハード設計と性能のせいか、ハドソン以外にソフトをリリースするメーカーも数えるほどで、大半がNECホームエレクトロニクスが開発・移植したタイトルになりました。
また、第五世代ハードなのに、3D表示機能がなく、ポリゴンを扱うのは一切不可能という当時のニーズを完全放棄しました。NEC側は「3Dは動画再生機能を使って表現すればいいじゃん」という独自理論を展開…。ただ、PC-FX発表当初は「FXファイター」なる3Dポリゴン対戦格闘ゲームが紹介されていたという事実が残っているんですよね。
そして、当初49,800円で販売されていたPC-FXですが、1995年4月家電量販店でPC-FXの店頭価格が29,800円と大幅に価格を引き下げました。この価格を下げて販売を再スタートしても販売台数は伸びず、3Dポリゴン機能が一切ないハード性能やソフトラインナップの少なさから、同世代のプレイステーションやセガサターンとの競争にすぐ敗北。
95年になると「アニメ戦略」なる計画を掲げ、ここからコア層に向けた路線が決定的となりました。同年には、ソフト戦略のテコ入れによってPC-FXを50万台普及するという目標が発布されました。ですが、その3年後の98年にはNECホームエレクトロニクスがドリームキャストへの参入とPC-FXからの撤退を正式に発表してしまったんです。これにより、PC-FXの歴史は終わり、同時にNECのゲーム機本体は、ここで途絶える事になってしまいました。
PC-FXの最終的な販売台数は40万台出荷で11万1千台に終わり、当初目標の50万台には及ばなかったようです。2000年には、NECホームエレクトロニクス自体もNECの業績悪化によって解散しPC-FXという存在自体も徐々に忘れ去られてしまったと思います。
知名度も上がらず姿を消してしまったPC-FX。それでもコアな層に売り込んだだけあって、今の40代~50代には熱心なファンがいるようです。
●最後に『ロルフィー』について
「PC-FX」及びソフトシリーズにある「アニメフリークFX」のマスコットキャラクターとして、ロルフィーがいました。当時『美少女戦士セーラームーン』のキャラクターデザインで一番人気のアニメーターだった『只野和子氏』がデザインを担当し、青緑色の独特な髪型を持つ13歳の美少女キャラが描かれたんです。担当声優には大野まりなさんが抜擢され、シングルCDや主役ゲーム作品の『となりのプリンセス ロルフィー』も発売されたました。
しかし、PC-FXの展開終了と共にロルフィーの活動も終了。その後、NECホームエレクトロニクスの保有するゲーム周りの商標・権利を受け継いだBIGLOBEの手で、同社が運営する美少女ゲームポータル『ドキドキCplaza』のバナーの看板キャラとして採用されました。2015年以降はこのバナーも使われなくなり、それ以降はロルフィーの活動は確認できませんでした。魅力あるキャラクターだったのに残念です。
■総括
ここまで読んでくださってありがとうございました。
多分、「PC-FXって変なマシン」だから売れなかったんじゃない? と思うかもしれません。確かにPC-FXはかなり風変わりな設計で、おまけに製造元のNECの思惑もあり、「パソコンの周辺機器」という変な役割もありました。おかげで次世代機中、もっともソフト開発が難しいマシンとなりました。
ただ、PC-FXというハードはPCエンジンの後継機であったので、時代のニーズに合わせて開発していればもしかしたら…と思うこともあります。ですが、ここまで独自路線を貫いたPC-FXは逆に凄いのかもしれないと記事を書いていて思ってしまいました。
ここまで不調に終わってしまったPC-FXでしたが、タワー型の本体や、今後を期待させるような拡張性、ちょっとHな美少女ゲームのラインナップなど、趣味をくすぐるようなゲーム機本体は無かったと思ってます。次は何をしてくれるのか? どんなソフトが出てくるのか? いっちー☆ほしはワクワクしながら待っていたので、とてもお気に入りの機種だったんですよね。
それでは、今回はこの辺で、次の記事のネタ探しを始めていきます~。
次回もお楽しみに!
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