どうもお世話になっております。
BEEP秋葉原店基板担当でございます。
このブログを書いているのは９月なんですが、来月2024年10月でBEEP秋葉原店はなんと9周年を迎えてしまいます。
その記念として色々と準備中なんですが、今回はその中で販売予定のアーケード基板の目玉商品をご紹介いたします。
その商品とは…、コチラです！
データイースト製アーケードゲームシステム基板『デコカセットシステム』＋専用ソフト5点セット！
デコカセットシステム（以下デコカセ）…と言っても知らない方も多いかと思います。
簡単に説明しますと、デコ（DECO）ことデータイースト社が1980年に稼働開始した
業務用ゲームのシステム基板の事です。
「システム基板」とはマザーボードと専用ソフトのセットで遊べるように設計された基板の事です。
マザーボードが1台あれば、ソフトだけを入れ替える事で別のゲームに変更することが出来ます。
例えば家庭用ゲーム機でいう所の本体と専用カートリッジのような物ですね。
そんなの普通じゃない？と思われるかも知れませんが、ファミコンですら登場は1983年、当時はそういったハードはほとんど無い時代。アーケードゲームもゲームタイトルごとに基板が違うのは当たり前でした。
（あのスペースインベーダーのたった2年後ですよ！？）
そんな時代に突如登場したこのデコカセ、なんと実際に稼働したアーケードゲームでは日本で初めてのシステム基板とされているそうです。主に商品開発の省力化を目指して作られたそうですが、当時としてはかなり先進的な構想で、他に類を見なかったと思われます。
デコカセについてはこういった文化遺産と言っても良いゲームを保存されている有識者の方々が書かれた記事がありますので、興味のある方は是非検索してみて下さいね。
という訳で今回の目玉商品に話を戻します。
今回の商品はこの『デコカセットシステム』の小基板タイプとマイクロカセットタイプの専用ソフト５点のセット商品です。
ソフトはマイクロカセットテープとコピー防止用のドングルユニットで構成されていて、ドングルをマザーボードに装着し、テープをデッキに入れて電源を入れるとテープからデータを読み込みゲームが起動します。レトロパソコンではテープのソフトウェアはよくありますが、アーケード基板で採用されているのはこのデコカセくらいだと思います。
マザーボードは数種類存在するそうですが、こちらは後期に発売された小型タイプの基板になります。当社でメンテナンスを行っていて、JAMMA規格へ変換するハーネスが装着済みです。
カセットデッキも当社にてヘッドクリーニングと駆動ベルトの交換を行っており快適に動作します。また、今回のソフト５点もこの基板で全て動作の確認を行っております。
ただし、全て動作確認済みではありますがテープの経年劣化の影響によりタイトルによっては毎回は読み込めず読み込み中に再トライを行ったり、エラーが出て起動しない事もあります。商品の特性上こういった経年による動作不良の保証は行っておりませんのでご了承下さい。
そして今回セットになっているソフトは以下の５タイトルです。
付属品とともに写真でご紹介します。
【プロゴルフ】
なんと日本初のコンピュータゴルフゲームと言われるゲームだそうです。
しかしながら画面の構成やゲーム進行、クラブの選択や打つ方向とパワーの調整など現在のゴルフゲームのシステムの基礎がすでに取り入れられており、今遊んでも普通にゴルフゲームとして楽しめます。天才の仕業としか思えませんね。
【ハンバーガー】
発売当初は「ハンバーガー」でしたが、その後は「バーガータイム」と名前を変えて色々なハードに移植された有名なアクションゲームです。ハンバーガーの材料を落として作る、という奇抜なアイデアの作品でした。キャッチーなキャラにゲームも攻略性があって人気タイトルでした。（私にはちょっと難しかったですね…。）
【バーニンラバー】
ジャンプが出来る車を操りライバルを潰しながらゴールを目指すちょっとイカレたカーレースゲームです。今回のラインアップで一番有名なタイトルだと思います。タイトルを知らなくても遊んだことがある！という方も多いのではないでしょうか。人気があったためかこのデコカセ版だけでなくポピュラーな通常の基板バージョンも存在します。（コピー基板も沢山存在します。）スピード感とスリルは今遊んでもとても楽しいゲームです。
【グレイプロップ】
ブロック崩しとパズルボブルを混ぜたような…？とても変わったゲームです。ボタンにより2種に変化する弾の反射角度を駆使してグラップという鎖のような物を消していくゲームです。一風変わっていて取っつきにくいですが連鎖で高得点を狙えたりとスコア要素もあり、なかなかやりごたえがありそうなゲームです。風変わりなタイトルが多いデコらしいタイトルですね。
後にPCエンジンで『ドロップロックほらホラ』というクセ強なタイトルでリメイクされていて、これまたカルト的作品となっています。（プロジェクトEGG様にて移植されているのでこちらはPCでも遊べます。）
【プロサッカー】
大きなキャラクターが動き回るダイナミックなサッカーゲームです。
相手の攻撃がなく、自分サイドの攻撃でボールを取られたりゴールに失敗するとキックオフからやり直し、というなんと残機制のサッカーゲームです。ハードの制限だったのかも知れませんがとても変わったシステムのサッカーゲームですね。荒削りな感じですが不思議な魅力があります。
いかがだったでしょうか？
デコカセ用ソフトはwikiによると４０種類以上のタイトルが出ているそうですが、テープメディアの劣化もあり動作する個体は少なくかなり入手困難になっています。今回はBEEPで以前よりたまに買取りさせて頂いていた物の中から動作する物を集めてセットにしております。こんな出物は今後しばらくは出てこないかと思われます。ゲーム文化の貴重な資料にもなり得るアイテムですので是非末永く保存して頂ければと思います。
こちらのセットは１０月中に税込み300,000円で販売予定となっております。
よろしくお願いいたします。
BEEP秋葉原店がこれほど長い期間続けられたのも平素より支持して頂いたお客様のおかげです。いつもご利用頂き誠にありがとうございます。10月はこの記念にオリジナルアイテムの頒布や各ジャンルで目玉商品を販売予定ですので、是非お店の最新情報をチェックして下さいませ。
また、いつもの宣伝ですが当店ではゲームに関わる物を何でも買い取りしております。
もちろんアーケード基板も高価買い取りしております。長い間動かしていなかったり、故障していてもOK！お見積りも無料で行っておりますので、お気軽にご相談下さい。
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※文中の記載は基本的に基板担当のインターネット調べによるものです。
実際の情報とは異なる場合がございますので参考程度にお読み下さい。
