【カプコンマニア垂涎のギミック搭載!実質完全移植は不可能!?】伝説の名作「ロストワールド」を彩った、あの『ローリングスイッチ』を分解してみた話。

お世話になっております。BEEP秋葉原店アーケード基板担当でございます。

さて、なんと先日店頭にてカプコンの超名作アーケードゲーム「ロストワールド」の基板を、スティックやボタン・配線などの付いたゲーム筐体用の操作部分(コントロールパネル、俗に「コンパネ」と呼びます。)ごと買取させて頂きました!ありがとうございます。

実はこのロストワールド、知っている方も多いかと思いますが操作系に『ローリングスイッチ』と呼ばれる特殊なスイッチを採用しておりまして、今回そちらのちょっとしたメンテナンスを行う機会がありましたのでこのギミックを紹介させて頂きます。

そもそも「ロストワールド」はカプコンが1988年にリリースした業務用のアーケードゲームです。主人公の名無しの超戦士1Pと2P(名前の設定がなかったそうな…。)が破壊神・天帝バイオスに戦いを挑むというストーリーで、非常に作り込まれた壮大な世界観と美しいグラフィックやサウンド、そしてカプコンらしいそこまで難しくない難易度でありながらやりごたえのあるプレイ感が特徴の横画面シューティングゲームです。

このロストワールドについては解説やプレイ動画もたくさんあるので未見のかたはぜひ探してみて下さい。ステージ間のデモでの超戦士1Pと2Pのキャラクター同士の漢らしい掛け合いは今でもリスペクトされています。(エンディング時の「 とうとうやったな! 畜生、まだふるえが止まらないぜ!」は名ゼリフですよね!)

さて、冒頭で触れたこのロストワールド特有の(正確にはアルティメットエコロジーもある!?)操作ギミックが「ローリングスイッチ」です。


こちらがそのコンパネです。白いボディがカッコいいですね。当時はまだテーブル筐体も多く活躍していたのでテーブル筐体に設置出来るようにユニット化されたコントロールパネルが販売されていました。操作はキャラクターの移動を従来のレバーで行い、ローリングスイッチでショットの発射方向を自由に変えられます。押しボタンとしての機能とアルカノイドのパドルのような回転操作が両方出来る優れ者で、コイツをいかに使いこなすかが、ゲームのキモとなります。

コンパネを開けて中を見てみると、レバーは鉄板アイテムのセイミツ工業製LS-32が採用されています。


中央部には大きなスピーカーも装備されていて、コイツがコンパネ内部に反響して中々雰囲気のある音を出しています。今回はメンテが必要なので、早速ローリングスイッチを取り外して分解していきます。

スイッチの回転部分は金属製でほどよい重みがあり、シャフトに切られたネジで組付けてあります。ここを外すとスイッチ部分をコンパネから取り外しできます。

外した状態がこちら!レバーやボタンが好きな方はもうこの時点でワクワクしますよね。


シャフトを回すと3つの歯車を経由してスピード調整され、最終的にこの溝の切られた黒い円盤を回します。
そしてこの円盤の溝がセンサーを通過するタイミングを読み取ってでゆっくり回したり、速く回したりといった回転のアナログ操作を行っています。

タイトーのアルカノイド等のパドルと基本的には同じ仕組みですが、軸受にベアリングが装備されていて、回転部分に重みがあることで滑らかに回るようになっていたりと、ゲームに合わせて独自の設計も施されています。

そして回転部分の軸はスプリングで上下出来るようになっていて、押し込む事で軸の一番下にあるスイッチを押してショット操作が出来る仕組みです。

構造は単純ですのでひとまずパーツを分解してみました。使用感はありますが、そこまでダメージは無いように思います。ただし今回お譲り頂いたローリングスイッチは1P側、2P側ともに1番小さな歯車が割れてしまっており、割れた部分で引っかかってスムーズに回らなくなってしまっておりました。

メーカーの純正部品は流石にもう入手出来ないため、今回は基板担当が主に趣味のラジコンで活用している3Dプリンタで割れた歯車の作成を行ってみました。まだ全然素人なんですが、ひとまず歯車をモデリングし、自宅の3Dプリンタで作製してみました。

3Dプリントのモデルの積層に若干歪みがあるため仕上がりは最高!とは行きませんでしたが、まずますの出来となりました。早速シャフトの通る穴を僅かに削って微調整を行い装着してみました!

テストプレイしてみた結果、完全に同じ寸法では無い事と、歪みの影響で少し回転時のノイズが大きいものの、プレイには支障なさそうです。歯車の寸法は特に問題なさそうでしたので、今度は更に精密なモデルが作れる光造形プリンタを使って作製し実装してみる予定です。(ダメそうならこのモデルをもうちょっとブラッシュアップして組み込みします。)

ひとまず販売の見込みが出来ましたので、来月には販売の予定となっております。(販売は秋葉原店ではなくBEEP通販部もしくはネットオークションへの出品となる予定です。)大変貴重なロストワールド純正基板もセットでの販売を予定しております。お探しの方はぜひ弊社のアカウントの出品もチェックしてみて下さいね。

と言うわけで今回はカプコンのロストワールド用コントローラー、「ローリングスイッチ」をご紹介しました。基板担当も昔は某タワー型ゲーセンで働いておりましたが、当時からこういったレバーやボタンは結構壊れまして、ホームセンターで合いそうな部品を買って加工して、といった修理もよく行っていたもんですが、その時代にこれがあったら色々作れて捗っただろうなァと今回妄想してしまいました。

BEEPでこういったパーツの代替品を作製する試みもほんの少しやっていたりしてますので、リクエストやネタなどありましたらぜひ基板担当までご意見をお寄せ下さいませ。

また、通常のアーケード基板の他にも故障で動かない基板や特殊なコントロールパネル、筐体などもまとめて買い取りさせて頂いておりますので、倉庫やコレクションの整理の際にはぜひご相談下さい。

BEEP秋葉原店ではゲームに関わる物を何でも買い取りしております。
家庭用ゲームやレトロPCなどはもちろん今回のアイテムのようなアーケード基板の買い取りと販売を行っております。
基板本体や周辺機器、筐体、ポスターなどゲームに関するものは何でも1点から買い取りしております。量が多い場合は出張買い取りも行っておりますので、ご不要な物や整理の際には是非ご相談下さいませ。長い間動かしていなかったり、故障していてもOK!お見積りも無料で行っておりますので、お気軽にご相談下さい。
お問い合わせお待ちしております。

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※文中の記載は基本的に基板担当のインターネット調べによるものです。
実際の情報とは異なる場合がございますので参考程度にお読み下さい。

 

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