どうもお世話になっております。BEEP秋葉原店の基板担当でございます。
今回のブログは店頭でたまたま買い取りさせて頂いたちょっと特殊な基板のご紹介です。
基板のタイトルはケイブの「ぐわんげ」です!
「ぐわんげ」はケイブが1999年にリリースした縦スクロールシューティングゲームです。
ケイブのシューティングの中では異色の存在で、色々と特徴的な点があるタイトルです。
システム的な面では最大の特徴である攻防一体の式神システムをはじめ、移動の制限のある地形が
存在したり、自機がライフ制だったりとぐわんげならではのフィーチャーがあります。
ストーリーはそれぞれ数奇な運命によって式神使いになってしまった主人公たちが、そこから開放されるために黄泉への扉を開き地獄門の神を討伐するために旅立つ、という物語でビジュアル、BGMなど世界観すべてが美しい純和風テイストの個性的な素晴らしい作品となっています。
エスプレイドに続きキャラクターを自機として押し出しており、以降のケイブ作品のキャラクター人気の草分け的存在と言えるのではないでしょうか。
そういった感じでケイブのシューティング基板といえば今やすべてが大人気アイテムですが、この世界観からなのか「ぐわんげ」は海外でも熱狂的なファンの多い作品のようです。加えて当時の出荷枚数もそれほど多くはなかったそうで、現存する基板は今ではケイブファンが憧れるプレミアアイテムとなっています。(なんでもエスプレイドの後の弾銃フィーバロンの販売が芳しくなかったために、ぐわんげの出荷枚数が減らされてしまったという経緯があったと井上先生がぐわんげ設定資料集で語っておられたそうですね。)
え、でも特に特殊な物ではないって?
確かに「ぐわんげ」は普通のアーケード基板ですからレアではあるもののそこまで特殊なものではないです。しかしなんと!今回ご紹介するのはその「ぐわんげ」の開発用バージョンと思われる基板なんです。
と前置きはこのくらいにして、基板をご紹介します。
今回の基板はこちらの2点です。
ベースとなる基板は2点ともに製品版の物とは異なるものとなります。
片方はかなり製品版に近い(というか全く同じ)ゲーム内容の基板となります。
まずは製品版に近いこちらの基板から。比較対象として当社スタッフ私物の製品版を並べています。
(羨ましいことに井上淳哉先生のサイン入りです、こちらもレアですね…。)
こちらは当店でゲーム内容を確認した感じでは基板自体の構成もゲーム内容も製品版と変わらない物のようです。大きな違いは製品版では省略されているコネクタやソケット、スイッチ類が実装されている所になります。実装されている部品も一部製品版と異なる箇所があり、基板のシルク印刷にアトラスのロゴが無いなど、製品版とは違う用途の物であることが伺えます。
ゲーム内容については担当がテストプレイで確認しただけの所感ですが、製品版と変わっている所は
無いようでした。開発用としてはほとんど完成に近い状態のものだと思われますが、
貴重なものであることは間違いないでしょう。
そしてもう一枚の基板がこちらです。こちらも製品版を並べています。
こちらの基板は製品版と比べ一部基板本体にも違いがあります。確認した範囲ではJAMMAコネクタ付近の入力系の部品配置が異なり、簡易的にジャンパで改造を施してあります。また裏面には製品版には載っていないGALからのジャンパ線が複数施されており、いかにも開発バージョンという姿です。そしてこちらの基板は起動すると「1999 7/8 GAMEST VER.1.01」と表示され、製品版にはない機能が搭載されたバージョンが立ち上がります。
こちらは完全に製品版とは違う仕様になっておりまして、2P側ではプレイできず1P専用となります。
(2Pスタートを押すとその場でフリーズします。)また、ボム使用が無制限となり、自機の当たり判定もない所謂ノーヒット状態となります。さらに画面の右下に製品版にはない特殊なメニューが表示されており、2P側のレバーとボタンで操作できるようになっています。私の方で確認できた機能としてはステージのスキップとノーヒットの解除が可能でした。その他にも製品版との違いがありましたが、それは購入された方のお楽しみとしてここでは割愛させて頂きますね。
ということで簡単にご紹介いたしましたが、いかがだったでしょうか?
当社で調べた範囲ではどこでどう使用されたかは不明ながら、当時このような仕様のバージョンを
作ったことはある、と関係者の方から直接お話を伺うことも出来ました。(店長の天元中氏筋からの情報です。)具体的にどのような経緯でどう使われたのか、についてははっきりとわかりませんでしたが、個人的な推測ではバージョンの名前から、やはりあのゲーメストの攻略記事作製用としてケイブさんから提供された物ではないかなー?などと妄想してしまいました。ご存知の方がいらっしゃいましたらぜひ教えて頂きたいです。情報提供お待ちしております。
上記の要素からの推測ですが、この基板は開発用の中でもさらに特殊な用途のために手作業で少数のみ用意された可能性が高く、ひょっとしたら世界にこの1枚しか無い可能性もあるかと思われます。
ただいまこちらの基板は秋葉原店および通販サイトにて展示販売中ですので、興味のある方はぜひ見に来て下さいませ。
また、こういった開発用基板の買い取りも行わせて頂いておりますが、普通のアーケード基板ももちろん買い取り募集中です。スピード査定で現金にてお支払いしておりますので、春に向けて片付けや整理を行われる際はゲーム関係何でもBEEPにお任せ下さい。お持ち込み、お問い合わせお待ちしております。
詳細はこちらも合わせてご覧ください。
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※文中の記載は基本的に基板担当のインターネット調べによるものです。
実際の情報とは異なる場合がございますので参考程度にお読み下さい。